のび太です。
来週しずかちゃんが仕事の都合で実家のある関西へ帰ります。実家に何泊かする予定だったのですが、最近実家で子ネコを飼うようになって、トキソプラズマ症という感染症が心配なので別のところに泊まった方がよいと言われています。今日はこの病気について調べてみました。
ネコから感染するというイメージを持つ人が多いようですが、そもそもどんな病気なのでしょうか。こういうところを読んで勉強してみました。
ペットクリニック・ドットコム 妊娠中に猫を飼うなって本当なの？
トキソプラズマ症とは？
・トキソプラズマという寄生虫による感染症
・妊娠中に感染すると胎児へも感染することがある
・胎児が感染すると水頭症、視力障害、脳内石灰化、精神運動機能障害などが顕れる
・地域差があるが数十億人が感染しているとされる
・・・
え？数十億人？
そんなに感染してる人いるの？？もしかして自分も？
でもどうやら、「感染している＝症状が顕れる」ということではないようで、通常は体の免疫機能によって症状が抑えられるとのこと。ただし体から病原体が抜けることはなく、一生保有者でい続けるそうです。また、感染者が妊娠しても胎児に感染するわけではなく、問題なのは妊娠してから感染することだそうです。ではどうやって人へ感染するのでしょうか。人から人への感染はあるのでしょうか。
ネコから感染説
ネコから感染するのは本当のようです。ただし確率はとても低い。どういうことでしょうか。
トキソプラズマは人や他の哺乳類や鳥類の体内に入ると分裂して数を増やします。しかしネコ科の動物に感染した場合だけは別で、分裂して数を増やすだけでなく、腸内に入って卵（オーシストと呼ぶらしい）を作ります。なぜかは分かりませんでしたがネコ科の動物の腸内でだけ卵を作ることができるようです。そして腸に作られた卵はフンと一緒にネコの対外に排出されます。これを人が接種してしまうと感染するというわけです。このことから、
・ネコを飼っていると感染しやすい
・土いじりをするとそこにネコのフンが混じっていて感染する
という言説が生まれたようです。これは間違いではないんですが、もう少し深堀してみました。
すべてのネコが卵を排出するわけではない
トキソプラズマに感染したネコのすべてが卵をフンとして排泄しているわけではなく、初めて感染したネコが一生のうちに一定期間のみ卵の含まれたフンを排泄するそうです。つまりネコに感染したトキソプラズマが常に卵を作っているわけではないということですね。そしてその一定期間というのは、ネコが感染してから１～３週間の間とのことです。
ということは、屋内で飼っていて生肉を一切食べさせていないネコであれば問題ないということになりますね。もし感染していても、排出期間を過ぎていればこれまた感染する確率は低い。さらに人に感染した場合でも、人の体内で病原体に対する抗体が作られると、トキソプラズマは増殖を休んで待機状態に入ります。こうなると母体が感染していても胎児へうつることはないようです。だから世界の数十億人が感染していても胎児がみな先天的に罹患しているわけではないのですね。
つまり、トキソプラズマによって胎児に影響が出るという事象は、
１．妊娠初期である
２．妊婦がこれまでトキソプラズマに感染していない（母体に抗体がない）
３．飼っているネコが妊娠期間中かその直前にトキソプラズマに感染した
４．そのネコがトキソプラズマの卵が含まれたフンを排泄した
５．ネコのフンが妊婦の口に入った
という条件を次々にクリアしないと発生しないということになります。
危ないのはネコより生肉！！
しかしながら、トキソプラズマの感染経路はなにもネコのフンだけではありません。むしろ別の感染経路のほうがネコよりもずっと危ないのではないかと調べていて感じました。
ネコ以外の感染経路、それは生肉を食べることです。
上の方でも書きましたが、トキソプラズマは他の動物の中で分裂して数を増やします。卵を作るのはネコの体内においてのみですが、他の動物の体内でも分裂は可能で増えています。では感染した動物の肉を焼かずに人が食べたらどうなるか。
食べた人にも感染します。
生肉を食べることで、肉の中で生きているトキソプラズマを自分の体内に取り込んでしまいます。火を通してあればトキソプラズマは死滅するので問題ありませんが、生である場合、その人の体の中で抗体が作られるまで分裂を再開します。
感染初期のネコのフンを口に入れるより、生肉を食べてしまう、あるいは生焼けのまま肉を食べてしまうほうがよっぽど可能性が高いと思います。
生肉に生魚は含まれる？
生肉に警戒していると生魚である刺身や寿司はどうなんだろうと気になりますよね。結論から述べると生魚は問題ないとされています。感染した症例がないそうです。
トキソプラズマは哺乳類と鳥類を主なターゲットにしていますが、魚は哺乳類でも鳥類でもないですね。では海の哺乳類、イルカやクジラ、アザラシなどはどうなんでしょう。これらはダメです。食べる機会はほとんどないでしょうが、もし口にする場合は必ずよく火を通さなければなりません。
妊娠中は「〇〇がよくない」と聞くと過剰に不安になりがちだと思います。しっかり調べて無理のない生活をしていきたいと思います。