半分、青い。 第113回

のび太です。

『半分、青い。』第113回の感想です。

ボクテに律のことを好きだったとばらされたスズメ。ついでにあの「律を支えたい」についても清算されるようです。一応「友達として言った」ということになりました。でも「ドキッとした」と律が言ったときのスズメの表情からは、それを内心喜んでいるような気持ちがにじんでいて、まだ何かありそうな匂いを感じます。このまま何もなく終わってくれた方がいいんだけど。

その後、東京から岐阜へ移動して疲れてるだろうに都合よく寝付けなかったという裕子と、食堂で飲んでいます。前々から思っていたことだけど、朝ドラで女性がお酒を飲むシーンってあまり見ないです。ないわけじゃないけど、このドラマでは多い。確かに90年代からそういう女性は増えたと思うし、当時は「おやじギャル」なんていう言葉もあったくらいだからリアルなんだろうけど、朝ドラの絵的には違和感。

そしてこの、裕子と二人で飲むのは何かの暗示なのです。これから何か心が決まる前触れ。裕子がスズメを全面的に肯定して、それに背中を押される形でスズメが決心する。この二人の会話だけで、というか裕子に気持ちの遷移やスズメを取り巻く状況を説明させるようなこの儀式だけでストーリーを展開させてしまうから、こっちの心情がついていけないんだと思います。

看護学校で自分の非力を実感し、患者にも心無いことを言われて落ち込んでいるからスズメに会いに来たと言う裕子。何度も言うけどそれならそのシーンをはさんでくれよ。裕子が奮闘しているところを描写してくれよ。言葉で展開だけ説明されたって、何も感じない。それぞれのキャラに対する愛情がまったく感じられない。深めようとか、見てる人に親しみ持ってもらおうとかいう気持ちがまったく見えない。ストーリーを展開させるために都合よく使われているだけ。

「やるよ。スズメは何かやるよ。スズメのパワーは生きる力がすごい」って裕子に言われたから頑張れる気がしてきたってことになってるけど、それは「図々しさ」をよく言い換えたってことなら同意。決めの音楽流しながら「裕子が看護師になったら仙台に会いに行く。約束だよ」って印象づけしてるけど、それって「友達なら当たり前~」でしょ。看護師になってなくても行ってあげてよ。親友なんだから。

裕子とボクテが帰ってからどのくらい時間が経過しているか分からないけど、ドラマの展開ではその直後、スズメが「社長になる!」と宣言しました。ああ、そうですか。がんばってくださいな。

それにしてもブッチャー役の矢本悠馬はとてもいい演技してます。『花子とアン』と同じような地元の名士の間抜けな二代目的なポジションですが、細かい演技も岐阜弁もとても上手でいいです。スズメも演技が下手なわけではないと思うけど、そして裕子も、なんせあの話し方が耳に障るから好感持てない。箇条書きの、目の前に話す相手がいるのに一行ずつ言い切る話し方。

「絶対に行く。

東京に行く。

先生の仕事を見る。

農協で野菜は売らん。

そして、やがて私は自分の世界を描くんだ。

私は漫画家になる!」

役者は台本の通りに話してるだけだと思うから、脚本に殺されてる。『純と愛』と同じパターン。突拍子もないことを次々言い出して展開についていけないのも同じ。有名な脚本家が自分の色を出すことにこだわりすぎて奇をてらうの、朝ドラあるあるです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする