『まんぷく』第23回感想

のび太です。

『まんぷく』第23回の感想です。

この日は福子と萬平の山菜取りからスタートです。家では鈴が井坂夫妻と談笑しています。井坂夫妻とは、福子たちに家を貸してくれている萬平の親戚です。

ここでの夫婦の会話が面白かったです。

奥さん:「仲ええご夫婦やなあ。うっとことは えらい違うとうな。」

旦那さん:「そがいなことねぇでえ。」

奥さん:「そがいこと思とんのは おまはんだけ。」

旦那さん:「はあ?」

しずかちゃん曰く、この方言はとても上手とのことです。「〇〇している」と言うのを「〇〇したった」と過去形のように言うのが特徴らしいです。「いますか?」は「おったてか」、「来ました」は「来たった」という具合です。それと「問題ない」を「べっちょない」と言うようです。

そんなところへ国民服を来た人が訪ねてきました。これは・・・

二度目の赤紙でした。

それを見て鈴はどこか悲しそうな様子。以前は戦争に行けなかった萬平をなじっていたのに。萬平への気持ちが変わってきたのでしょうか。福子は前から一緒に暮らせば好きになると言ってましたが、そうなってきたのかな。

この時期に赤紙が来ることの意味を福子は人から聞いてよく分かっていました。終戦末期は鉄も燃料もなく、飛行機は米軍艦隊への片道切符、生きて帰ってこられる望みはほとんどありません。あまり語られませんが潜水艦による人間魚雷という兵器もこの頃使用されていました。「回天」です。文字通り爆弾を積んで海の中を進み、敵の船に激突するのです。陸の戦場でも弾が尽きてしまい補給できないので、最後は手榴弾を持って突撃です。生きて敵の捕虜になるよりも死ぬまで戦えと命令されているのでこうなってしまいます。

実際に捨て身の特攻が相手にダメージを負わせることはほとんどなく、敵部隊に到達する前に撃沈されて終わりです。でも仲間を思う気持ちから、上官に「無駄死にだった」と報告できず「立派に目的を果たした」と嘘をつく人も多かったようです。これが順々に上層部へ伝わって、特攻という戦略の是非が見直されることなくこれで戦況を打開できると思いこませてしまった面もあるそうです。

その夜、あの人がまた鈴の枕元にやってきました。咲です。まだ生存している克子より出番が多いです。そして言うのです。

「よかったわね。お母さん。」

前にも書きましたが夢に出てくる咲は鈴の願望そのものです。そして続けます。

「これで、福子は未亡人よ。」

「萬平さんが戦死したら、今度こそ、堅気の勤め人を福子の旦那様にしないとね。」

もう一度言いますが、これは鈴の願望そのものです。やはり、二人が結婚の許しをもらいに来たあの時、萬平に召集がかかったら応じられるのかと確認した本心はこれだったのですね。ただ、夢で咲に言わせて自分でもひどい人間だと気づいたようです。

ところが翌朝、萬平が腹痛でのたうち回っています。あぶら汗までかいて相当痛いようです。これはまた身体検査で失格の流れか?と誰もが思ったでしょう。山菜があったたのか?でもそれでは数日で回復してしまいます。盲腸?

福子は大慌てで医者を呼びに行きます。でもこの村には医者がいません。山を下りて町まで行く必要があります。どのくらいの距離があるのか分かりませんが、疎開してきた日、荷物を抱えていたとはいえかなり疲れていたのでそうとうきつい道のりだと思われます。そこを福子は走っていくようです。

一方家では鈴が萬平の仮病を疑っています。井坂夫妻に「仮病ではないみたい」と言うと、「そりゃそうじゃろ!」と叱られました。

福子が医者を連れて戻ってきました。村の人も心配して集まってきています。医者の診断によると腹膜炎とのことでした。どんな病気か調べてみましたが、原因も色々で進行具合によって治療法が異なるようです。命に別条はないようですが、薬で治るかどうかは五分五分。まあこれでまたも身体検査は失格すること請け合いですね。

ここで鈴が意外な行動に出ます。神社でお百度参りしているのです。これはどっちなんでしょう。福子を未亡人にしたくないのか、萬平を元気にして戦地へ送りたいのか。今までの経緯があるので単純に心配しているとは思えません。でも気持ちが変わってきたようにも見えるし、分かりません。

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