ふるさと納税が6月からつまらなくなる件

しずかです。

ふるさと納税がつまらなくなる!?

ふるさと納税に関する制度が盛り込まれた地方税改正が2019年6月に施行されます。主な変更点は、自治体はふるさと納税のお礼の品を寄付金額の30%以下にすること、返礼品は地元で作られたものに限定すること、自治体がかける経費は50%以下にすることなどです。一言でいうと6月からふるさと納税がつまらなくなります。ヘビーユーザーだった私としてはがっかりです。

これまでの政府と自治体の攻防

政府は返礼品競争の抑制策としてこれまで「通知」という形で各自治体に返礼品を3割程度にするように促してきました。そのとおりにする自治体もあれば完全にスルーする自治体もあり、強制力のない「通知」に対する反応は様々でした。ちなみに政府の言う通り30%以下におさえることにした福島県広野町は寄付額が20分の1に減ってしまったらしく、ニュースにもなっていました。政府は今回の税改正で、足並みをそろえなかった4市町をふるさと納税の対象から除外するようです。今後これらの市町に寄付してもただの寄付となり、住んでいる自治体の住民税と相殺されなくなるので要注意です。
ふるさと納税、泉佐野など4市町除外 6月から総務省 

泉佐野市は最後の花火をぶち上げ!50~60%の超お得キャンペーンを開催中

さて、今回の法改正で除外された4市町の反応もまた様々です。謝罪する町長もいれば、売られた喧嘩は買ったるでという市もあるようで、大阪府泉佐野市は「規制後のふるさと納税を体感しプレゼントをゲット」というキャンペーンを立ち上げました。いかにつまらない返礼品になるか一旦体感してもらってから、後日50~60%程度の返礼品を送り直すというものです。そんな手間をかけてでも、政府への問題意識を示したいということでしょう。5月末までなのでうちも急いで手続きを済ませないとと思っています。
大阪府泉佐野市300億円限定キャンペーン

ふるさと納税が活発になってから、都市部の地方税が流出している問題

そもそも都市部に集中している住民税を地方に再分配しようという取り組みだと理解していますが、近年は度が過ぎてきたようです。住んでいる自治体に入るはずだった住民税が地方都市に流出して失われてるということは、本来受けられるはずのサービスが縮小するということで、それはちょっと困りますね。40億円あれば学校をひとつ作れちゃいます。

流出ワーストトップ5は、川崎市、世田谷区、港区、横浜市、大田区。もともと住民税をたくさん納めている人々がリターンがほしくてこの制度を利用しているわけですから、トップ5は思った通りの顔ぶれです。前年比増額率が8割近い川崎市は、おそらく武蔵小杉のタワーマンション群にお住まいの方々かと推察します。これらの自治体は長い年月をかけて住みたい人が増えるようにインフラを整備し、街のブランドを高め、安定した税収を確保してきました。そこへ返戻品を豪華にするというだけの施策で地方自治体に税収をかっさらわれたら堪らないでしょうね。でも、この一極集中型の日本においては、地方自治体にはこれくらいしか逆転のチャンスがないのです。


出典:東洋経済ONLINE 

地産品だけに絞ったら、米どころと和牛産地のひとり勝ちになるよ

返礼品の価格が30%以下というのは仕方ないとして、地元で作られたものしか認めないというのはあまりいいアイディアとは思えません。人気は基本的に米と肉に集中しますから、ひとり勝ちする自治体が出てくることでしょう。そもそもそのような魅力的な特産物がある地域には観光客が集まるので住民税でなくとも消費税の税収があります。一番お金がなくて助けを必要としているのは、これといった特産物のない、観光資源の乏しい自治体です。そういう自治体にただ補助金を配るのではなく、自分たちでアイディアを練り、自力で税収をつけさせるための施策がふるさと納税なんじゃないですか。ゼロから新しく特産物を開発してもそれが当たるかどうかは賭けでしかありませんから、ここは手っ取り早くAmazonギフト券を返礼品にして、まずは自治体の名を広め1円でも多くのお金を集める。十分な資金が集まったら腰を据えて地域の活性化に取り組んでいくという順番じゃだめなんですかね。立ち上げ当時そういうことを考えて地産物という制限をつけなかったであろうに、今の政府は目の前のことしか見えてないようです。

何がびっくりって、いらすとやにふるさと納税のイラストがあったことですよ。。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする