のび太です。
『まんぷく』第36回の感想です。
まずはあらすじから。
いよいよ鉄板の設置が済み、萬平が工員たちに塩づくりの作業を指南します。やっとの開業?を祝して昼は鈴が巻き寿司を振舞いました。しかし大変な労力を費やして出来上がった塩はほんの少しだけ。食費も賄えない現状から、鈴に転業を勧められます。工員たちは動揺しましたが、みんなで続ける意思を確認。初めて作った塩はいきつけのラーメン屋にプレゼントしました。
ここからは感想です。
鉄板に海水を流して鹹水を作り、煎熬するところまで1日で行っているようですね。描かれていませんが海水を何度も流す作業だけでなく鉄板の汚れをふき取る作業のほうがよりしんどい気がします。大きな鉄板9枚を並べているんですから中央の部分には手が届きません。炎天下の中、水が蒸発するほど熱くなっている鉄板をどうやって掃除しているのでしょう。
煎熬も釜屋での作業ですから高温多湿でかなりきついものだと思います。それでできあがる塩がこの量では工員たちの気持ちが萎えるのも当然と言えます。しかもこの塩売って18人が生活するだけの利益出るんでしょうか。
闇市で豆腐が一つ15円、ラーメンも一杯15円。清香軒のラーメンが良心的価格だとしても一杯10円といったところでしょうか。となると家の食事は一人一回5円と考えて、三食で15円。かける18人で一日270円かかりますね・・・。30日で8100円です。
これでは破綻するでしょうから。食事一回を2円としましょう。三食で6円。18人で一日108円。30日で3240円。火にくべる薪なども必要ですから、ひと月4000円くらいは売り上げないと回らないことになります。梅雨や台風の時期は日照時間が短くなるし冬も同様です。それらの時期に生産量が落ちることを考えると、夏場は4000円の売り上げでは足りませんね。しかもこれは食べていくためのお金であり工員たちの賃金入ってません。
一日にどのくらい生産できるのか、1キロあたりの買い取り価格はいくらなのか、この辺がまったく分からないので具体的な数字は出せませんが、とにかく18人がここで暮らしていくには毎日毎日この作業を繰り返してたっくさん塩を作らなければならないということです。
萬平には工場を回していく算段がついているのでしょうか。鈴がもうやめたらどうかと提案した時、萬平は何も具体的な数字を出しませんでした。ただ夏になれば3倍は作れるというだけ。さっきも書きましたが一年中毎日生産できるわけではないので、夏に3倍作るのはむしろ当然なんですよね。
福子に「いやならやめる?大阪に帰る?でも帰ったところで仕事なんてないんでしょ?」的な煽りを入れられ続けることにしたヤングボーイズたち。重労働低賃金の搾取なのか、衣食住足りてるだけでもラッキーなのか、この現時点では分かりません。
ラーメンはおいしそうだし、店主も喜んでいます。