のび太です。
『まんぷく』第38回の感想です。
従業員の岡が飲み屋でけんか騒ぎを起こす。無罪放免となったけれど従業員の職場への不満は放置できないレベル。工員同士の仲もぎくしゃくしてきたため、萬平たちが慰労会を開催。これが意外と面白かった。
岡は少ない給料に露骨に不満な顔をしていましたが、喧嘩をしたと言っても飲み屋で男にちょっかい出され嫌がっている女の子を助けたまで。たちばな一門の14人に悪い奴はいません。萬平も福子もそれを分かっているので岡を責めません。それでも岡の不満そうな態度は変わらず。これは萬平や福子への怒りというより、気持ちのやり場のなさからくる態度だと思います。苦しいのは萬平や福子だって同じだし、岡はそれを分かっています。
家では鈴がまた騒ぎ出しました。やはりタカが危ないと。野蛮な男たちに囲まれて何をされるか分からないって。まあ客観的に見たらそういう恐れはあるかもしれないしタカを心配する気持ちも分かりますが、でも一度880キロもの塩を納品するくらいちゃんと働いた実績のある工員たちです。重労働に薄給で食事も満足に取れないという状況を顧みず危ない怖いと騒ぎ立てるのは、工員たちへの尊敬の念を欠いていると感じます。今風に言えばリスペクトです。
わめく鈴に対して福子が「もうタカちゃんにはうちに来てもらわない方がええの?」と一括します。最近福子はよくこういう言い方をしますね。他にどうしようもないし我慢しなさいという言い方です。あまりいい言い方ではないと思いますが、鈴の癇癪にいちいち付き合ってられないという気持ちも分かります。
慰労会の出し物は
タカ:ハーモニカ
福子:リンゴの唄(英語バージョン)
鈴:国定忠治の舞台の一幕
萬平:福子との夫婦漫才
なにが面白いって、それぞれの演目が上手ではなく、下手なところを一生懸命やっているという点です。実際、急ごしらえではそうなりますよね。そして工員たちがつまらないものに対してつまらないと言うことで、漫才のボケとツッコミの様な笑いを生み出していました。唯一鈴の国定忠治だけはその高いクオリティでもって観衆(工員たち)を沸かせていました。
個人的にはタカの下手でもお構いなしに演奏するところ、福子の「どう?洒落てるでしょ?」と言いたげな表情、萬平のたどたどしさがツボでした。