『まんぷく』第13回感想

のび太です。

『まんぷく』第13回の感想です。

まずはあらすじ。

萬平は憲兵に捉えられ尋問を受けています。これが結構激しい。何度も何度も殴られます。この辺の描写は大げさではなくリアルだと思います。身に覚えのない萬平は抵抗し続けますが聞きいられず牢屋に放り込まれてしまいました。

福子は「横流し」という言葉の意味も分からず、萬平がどうして逮捕されたのかも分かりません。萬平を信じてはいるものの何がどうなっているのか、という様子です。どうにかしたいけれどどうしたらいいのかも分かりません。鈴(福子の母)は今も亡くなった咲のことで頭がいっぱいのようですが、福子は萬平のことでいっぱいになり仕事も手につきません。

恵は福田君と善之介から同時に告白されそのことで気持ちが精一杯。福子と恵、それぞれお互いの話を聞く余裕がなく相談相手になれません。そんなところへ福子の友人二人がホテルに福子を訪ねてきました。喫茶店でお茶する3人。福子は萬平のことを二人に相談しますが、二人ともただのお嬢さんだし世の中の事情については福子と同レベル。問題は特に進展しません。福子は場所もはばからず大きな声で泣くのでした。

ここからは感想です。

憲兵は『花子とアン』でも登場し、お兄やんが属していましたね。戦後お兄やんは世間からさげすまれるようになっていましたが、今日のこの萬平への尋問の場面を見るとなぜお兄やんがそんな風になってしまったのかよく分かります。

憲兵は警察ではなく軍人で元々は軍隊内の規律を守るための組織ですが、この頃(第二次世界大戦中)は警察のような役割を担っていました。また、この憲兵の他に特別高等警察という組織もありました。その違いを少し説明してみます。

  • 警察:これは今の警察と同じです。
  • 特別高等警察:政治犯の取り締まりが主な役目です。教科書で習った「治安維持法」に基づいて共産党員や明治憲法に反対する人などを逮捕しました。『蟹工船』の小林多喜二を拷問で死なせたりしています。
  • 憲兵:特別高等警察よりも広く人々の思想を統制しました。左翼的な活動をしていなくても「戦争は嫌だ」と言うだけで睨まれるという具合です。特別高等警察との区別はあいまいで、一般市民からすれば最も怖い存在です。

牧 善之介は歯科医ですが、今回初めてその仕事ぶりが映されました。

当時はこんな風にペダルを踏んでドリルを回転させていたんですね。

善之介と福田君の恵争奪戦、福田君に赤紙が届いて終結するんじゃないかと予想してます。身近な人が出征して亡くなるのはセオリーですからね。『カーネーション』のそのシーンはすごくよかったです。

福子は友達と会う際に顔にクマがありました。私は気づきませんでしたがしずかちゃんが気づきました。

こういうところも細かく演出されていますね。ただここでの福子は、萬平が憲兵につかまったことを最初は3人身を寄せてひそひそ話していたのに、すぐに大声で「立花さんはそんなことし~て~な~い~~~~!!!」「けんぺいにつれてかれてしもたの~~(大泣き)」と、わめいてしまい、それが見ている側にとってはあり得ないというか、不自然というか、興ざめでした。

すごく子どもっぽかったし、それは今まで見せてきた演技とは全然違う、安易でテキトーな感じを受けました。憲兵がどういうものか福子は分かっていたのでしょうか。分かってたならもっと深刻に重く泣いた方がよかったと思うし、分かってないならそもそもそんに泣かないでしょう。今日はこのシーンが足を引っ張って、今までで一番つまらない回でした。

それと鈴がいつまでも咲、咲と言うのはどうなんでしょう。朝ドラではよくあることだし娘思いだというシーンなのかもしれませんが、まだ生きている克子と福子のことはどう思ってると言いたくなります。

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