『まんぷく』第12回感想

のび太です。

『まんぷく』第12回の感想です。

まずはあらすじから。日米開戦から半年強。日本は連戦連勝とは言え商売どころではなくなりホテルに泊まる人は減っている。そのため仕事を早く切り上げることもある福子。家に帰ると薄暗い部屋で母が仏壇に向かっていました。そこには父に加えて咲の遺影が。咲を失ってから2、3か月経過していると思われますが、母も福子も咲を失った悲しみからまだ立ち直ることができません。

萬平の工場でも若い社員が出征していきます。工場が立ち行かなくことを不安に思う萬平に対し、加地谷は「国のために戦えてうらやましい」とどこか他人事。萬平に指示していた新製品の開発はもう不要になったと言います。計画しても資金や物資が集まらないからと。そして珍しく加地谷が福子とのことを萬平に尋ねます。咲が亡くなって会っていないと話すと、自分なら縁が無かったんだから他を探すと言う加地谷。この辺も「押して押して押しまくれ」と言っていた世良と対照的です。

一方、福子の勤めるホテルでは福田君が恵にプロポーズをしようとします。が、その矢先、牧 善之介が現れて福田君より先に恵に結婚を申し込みます。善之介は結婚を申し込んだだけでその日は帰ってしまいました。この日は馬の蘭丸がいません。蘭丸は軍に接収され戦地へ送られてしまったのでした。

早退どころから休んでいいと支配人から言われた福子が克子の家に来ています。真一を気に掛ける克子。福子はその足で咲と真一のマンションへ行ってみます。真一はまだそこで暮らしていました。やつれたようにも見えますが、身なりはきちんとしています。生活は大丈夫かと尋ねる福子に、3日前召集令状が届いたと答える真一。「おめでとうございます」と心を込めずに言う福子。真一は咲の写真も持っていくと言います。「きっと咲姉ちゃんが真一さんを守ってくれます」と今度は心を込めて言う福子。

萬平にお礼を言ってくれたかと尋ねる真一に、福子は小さく「はい」と答えます。嘘ではないけれど、きちんとお礼ができたわけではありません。咲が亡くなって以来萬平に会ってないことを真一に明かしました。今は会う気になれないし、母が萬平のことを気に入っていないと言うと、真一は「本当にそれでいいの?」と福子に問いかけます。「自分の気持ちに正直になるべきだ。咲やお母さんは関係ないんと違うんか」と福子の気持ちを後押しします。「大事な人がいるなら、生きてそこにいるなら、簡単に手放してはいけない」という真一の言葉には重みがありました。福子は萬平に会いに行きます。

仕事に夢中で何度呼んでも気づかない萬平。福子は勝手に工場へ入ってきました。福子が来たことに驚く萬平。連絡できなかったことを謝る福子。福子が思い切って自分の気持ちを伝えようとしたその時、工場に3人の憲兵が押しかけてきました。そして萬平の名を確認するなり「軍需物資横領の容疑で逮捕する」と言うのです。萬平が軍需物資を横流ししたと。問答無用で取り押さえられる萬平。連れていかれるさなか、福子に「何かの間違いです。僕は何も悪いことなんかしていません!」と訴える萬平。どうなってしまうのでしょうか。

以上があらすじです。ここからは感想。

咲は手紙も残していないようでした。私の予想は完全に外れです。まさか真一が福子の背中を押すことになるとは。今日の様子から、母の思い込みとはとは違って真一が咲を大切に思っていたことがよく分かります。あの母は娘思いなのかもしれませんが、なんでこんなに思い違いをするのでしょう。真一にも忠彦にも萬平にも。男を見る目がないのは他ならぬ母だけです。娘たちはそれぞれ自分で相手を見つけて、形は違えど幸せなのですから。

恵をめぐる善之介と福田君の争いは善之介がリードしています。

馬を軍にとられたという善之介、さみしそうでした。「蘭丸」という名は森蘭丸からでしょうか。

この老人は笑顔で「おめでとうございます~」と言います。

この時代、憲兵が目を光らせているしそう言わざるを得ないのは分かりますが、この老人のように、無邪気に本心から「おめでとう」と言う人もたくさんいたのではないかと思います。それは福子が真一に対して言った「おめでとう」とはまったくの別物です。戦時中は戦争のためにすべてを捨てるのが正義と豪語していた大人たちが敗戦後手のひらを反して戦争を否定するようになり、そんな大人たちに不信感を抱いたという人の話を何度か聞いたことがあります。こういう大人が巷に溢れていたのだろうと想像します。愛馬を失った善之介にも幸せになってほしいです。

福子が萬平を訪ねるシーン、ここは今日も安藤サクラの演技が光っていました。福子は仕事中に押し掛けたことを詫びますが、萬平は大丈夫だと答えます。それを聞いてほっとした福子、「よかった」と声に出さずに肩を落とすことでその気持ちを表現しました。「よかった」と言ってもいい場面ですが、言葉にせずにしぐさで示すことでより自然な演技になっています。

そしてこのシーンとノーカットでつながっているように見える次のシーンで目が潤んでいます。気持ちを作って撮影に臨んでいることがよく分かります。うちのしずかちゃんも「うまい」と太鼓判。

萬平は連行されてしまいましたが、犯人が加地谷であることは誰の目にも明らかですね。萬平がよく知らない遠藤という人物によく会っていること、「きれいごとでは金儲けできない」と言っていたこと、新製品の開発は不要だと言い出したこと。これで加地谷と縁が切れることは確定ですね。

今週はここまで。来週もとても楽しみです!

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