うちは彼女の希望で無痛分娩にする予定です。この言葉を知ったのは最近で、ただ麻酔をして痛みを消すものだと思っていました。「無痛分娩」と対になる言葉は「自然分娩」です。ということは、無痛分娩は自然ではないということなのでしょうか。答えはYesだと思います。陣痛が来るのを待って破水、分娩という流れが「自然」だと思いますが、彼女が望んでいる無痛分娩では陣痛促進剤を使ってこれを人工的に起こすようです。これにより予め決めた予定日に出産することができ、入院や仕事復帰の段取りをスムーズにできるようになります。もちろん分娩時の痛みも抑えられます。痛みについては完全に消す病院と、少し痛みが残るように調整する病院と別れるようです。また、無痛分娩に対応するのは麻酔医が勤務している時間のみという病院もあります。24時間麻酔に対応しており、痛みも完全に消すことをうたっている病院のことを「24時間完全無痛分娩対応」と呼びます。東京マザーズクリニック等が有名のようです。
痛みがなく事前の予定通り出産できるとなるといいことづくめのように聞こえますが、デメリットや危険性もあるようです。
・麻酔に酔て陣痛が弱くなり分娩時間が長引くことがある。
・分娩時間が長引くことで帝王切開に切り替えることもある。
・「愛情ホルモン」とも言われるオキシトシンの分泌が減ることがある。
・自然分娩よりも費用がかかる。自然分娩に比べて20万くらい高くなりそうです。
・麻酔によって低血圧などの症状が発生することがある。
このようにいいことばかりではないようです。オキシトシンの体内での分泌が減ることで母乳育児率が減ったり母乳育児期間が短くなったりする調査結果もあるようです。ですがこれについてはどうなんでしょう。無痛分娩や計画分娩をする女性の中にはすぐに仕事復帰するという人もいるのではないでしょうか。そうだからこそ計画分娩で予定日を制御する必要もあると思うのです。母乳育児期間が減るとしても、それはオキシトシンの影響だとは断言できないと思います。
また、「お腹を痛めなければ愛情が薄くなる」という批判も一部であるようですが、これについても僕はそうは思いません。妊娠の直後から彼女は体調が悪くなって苦しそうです。これからつわりも始まるし、お腹も大きくなって日常生活が大変になります。そういった期間を9ヵ月も過ごすわけですから、分娩の際に痛みを和らげたからと言って自然分娩の場合よりも愛情が薄れるとは思えません。麻酔にせよ陣痛促進剤にせよ、使わなくても生めるんだから必要ないものはなるべく体内に入れない方がいいという意見もあると思います。それも正しいと思いますが、どうするかはそれぞれの家庭でそれぞれの事情に合わせて決めていけばよいと思います。
産む本人が避けてがることを、自分が体を痛めるわけではない僕が「痛みに耐えなきゃダメだよ」とは言えません。何より、陣痛や分娩の痛みが怖くて出産のその日を恐れながら待つより、その不安を和らげてその日が来るのを楽しみに待てる方が、母体にとってもよいと僕は思います。