のび太です。
『まんぷく』第9回の感想です。
咲の病院に母と克子もかけつけて、真一、福子の4人で医師の診断結果を聞いています。咲の病状はけっこう進んでいて、助かるとは言えないとのこと。母はかねてから真一が冷たいのではないかと思い込んでいるため、真一を責めます。「どうして気付かなかったの。こんなになるまで。風邪の咳かそうやないかくらい分るでしょう。」と咲に向かって言う母に、福子は「そんなこと咲姉ちゃんに言うたって・・・」と言いますが、母は咲にではなく真一に言っているのだと思います。
克子は大丈夫と言いますが、福子はそれを疑問視します。克子にも根拠があるわけではありませんが、「こういうときは周りが弱気になってはダメ」と思っての発言でした。この辺りは姉妹の性格の違いが出ていますね。克子から話を聞いた忠彦は悲観的ですが、絵を描いていた手を止めてこの表情。
何を思っているのでしょう。
萬平と加地谷が会合のためホテルにやってきました。福子と話す時間を取るため、萬平はわざと遅れて入ってきます。会合のあと福子と話し、そこで咲が結核であることを聞きました。福子も見舞いがあるのでしばらく会えないと告げます。大事な姉が結核とあっては無邪気に遊ぶ気にもなれませんね。萬平は自分にできることはないかと考え、結核の専門医を探すと約束します。これは咲を心配する気持ちからの行動だと思いますが、もしかしたら咲が快復しないと福子に会えないという思いもあったのかもしれません。
福子と萬平の会話を福田君が生垣の陰から聞いていました。そしてこの顔。
こちらも何を思っているのでしょう。
福子の自宅。母と福子がご飯を食べながら会話しています。母の真一嫌いは福子にも飛び火し、咲の連れてきた相手があんなだから福子の相手は自分が探すと言い張ります。でも福子も強気で「お見合いはしません!」と一喝。「ご趣味は何ですかなんて聞かれて、姉のお見舞いですぅなんて答えるの!?」と言い返します。「じゃあ、あの人(萬平)にも会わないでね」と追撃する母に、「会いません。今はね。」と福子。福子も萬平を結婚相手として意識しています。
この一コマは咲が心配でご飯がのどを通らないと母が言うところから始まりましたが、結局はやけ食いで終わります。そして「どうしてうちの娘たちは男運が悪いのよ!!」と言いながらたくあんを落としてしまう松坂慶子。「んもぅ!!」と言って拾いますが、落とすのはアドリブだったのではないかな。ハプニングも自然に見せる技量はさすがです。この辺り、ドラマの空気が重くならないようくすっと笑えるようにしているのも好感持てます。
そこへヒヒーンと馬の鳴き声。玄関に出てみると牧 善之介がいました。手には漢方薬。結核によく効くのだとか。結核が漢方薬で治るとは思えませんが、気持ちは分かります。そして馬に乗ろうとしてお決まりのずっこけ。でもこの日の善之介、かっこよかったです。
場面変わって忠彦のアトリエ。白いキャンバスにじっと向かっている忠彦でしたが、思いついたように鉛筆を走らせます。何を書くんでしょう。さっきの神妙な面持ちと関係があるのでしょうか。
それから何日か経過した夜、福子の自宅に萬平が訪ねてきました。今思えば昨日デートで家まで送ったのはここで訪問できるようにするための下地だったのかな。そんなこと感じさせない自然さがあって脚本に安心します。萬平は結核の専門医を見つけて知らせに来たのでした。母をその行為に礼を言うと同時に、もう福子に関わらないでくれと言います。それとこれとは別ってことですね。「福子はしっかりとした会社にお勤めの方に嫁がせます」とまで言い放つ母。さすがにこれは失礼ですね。日本人の、勤め人は安泰で起業家は不安定という考え方、根強いです。会社だっていつ風向きが変わるか分からないというのに。
「申し訳ありません。それはできません。」
「お姉さんが元気になられたら、僕は福子さんに結婚を申し込むつもりです。」
萬平言い切りました。母を一刀両断。
「では、改めて。」と背を向け帰っていきます。最後母の後ろにいる福子に向かって大きく頷いたのよかったです。
昨日のニヤニヤ顔から一変、今日の萬平は覚悟に満ちています。咲の病状は心配ですが、福子と萬平の結婚は近い?