適材適所とは

のび太です。

先日、職場でロジカルシンキングの研修を受けている人がいました。私は会社員ではないのでそういうの会社から指示されることはないのですが、会社員時代、特に入社したての頃はよく行ってました。そこで役に立ったものもあれば立たなかったもの、既に内容を忘れてしまったものまで色々ありますが、ロジカルシンキングというのは研修で身につくものだろうかと疑問に思います。仕事で成果を挙げるためにロジカルシンキングを身に着けようって広告やPRよく目にしますよね。

社会人になってからたくさんの人と一緒に仕事をし、いろんな人を見てきました。中にはロジカルシンキング苦手なんだろうなと思い人もたくさんいましたが、その人たちがこういった研修を受けて変わるとは思えません。これは一種のタレント、つまり生まれ持った才能ではないかと思います。身につけろと言われて得られるものではない。

日本の会社はこういう研修や教育が多いように思います。

入社3年目には〇〇までできるようになってほしい

彼は〇〇が苦手だから研修受けさせてみよう

という感じ。それで元々持ってる素質が開花することはあるかもしれませんが、ない物は出せません。そもそも苦手を克服させるとか、全員一律どのレベルまで達してほしいとか、それらは適材適所とは真逆の考え方ですね。でも多いです。適材適所をうたってる会社。大ウソだと思いますね。何も知らない大学生を大量に採用して会社の都合に染めようとしてるのに適材適所って。

本当に適材適所するなら即戦力を中途採用することになると思います。欧米ではそれが当たり前なので若者の失業率が高い。だから若者はインターンシップという制度を使ってまず経験を積む。日本のインターンシップは単なるタダ働きか採用活動の前哨戦でしかない。欧米の真似事してるけど根本的な思想が伴ってないから方向性が違ってくる。

日本では今平均年収が下がり続けていますが、これは当然だと思います。むしろ高度経済成長期からバブル崩壊までの右肩上がりが日本史上最高のボーナス期であり、全国で道路作ってれば賃金増えて人も増え、消費がどんどん拡大して企業がさらに潤うという夢のような状況だった。これが今では道路はほぼ作り終え人は減るようになったのだから、このノウハウしか知らない日本で平均年収が増えるはずない。それなのにいまだに一律の新卒採用、凹凸の凸を伸ばすのではなく凹を埋める人材育成で名ばかりの適材適所をうたっている。

こういうのは会社だけでなく学校のころからそんなだったと思います。水泳が苦手だから泳ぐ練習をしましょうとか、忘れ物が多いので直しましょうとか。社会に適応できるようスキルを万遍なく伸ばして総合的に一定レベルに達するよう「教育」する。

でもそんなの余計なお世話だし、短所は見方を変えれば長所にもなる。社会でどのスキルを使って適応していくかはそれぞれが自分で選んで決めればいいこと。悪いところを直すより得意を伸ばして磨いていった方が、他人との競争で戦える武器にできる。そしてそれぞれの尖った得意分野を見極めて必要な人材を獲得しそれを必要としている部門に回すのがほんとの適材適所じゃないですかね。

だから娘には不得意なことを直すより得意なことを伸ばす教育をしてあげたいです。何よりその方が楽しいでしょう。不得意を修正して苦手と向き合ってやっとポジション手にしても、維持するためにまた苦手と向き合い続けなきゃいけない。それで幸福度が高まるとは思えません。大事なのは自分らしさを発揮して社会に居場所を作ること。向いていないことに時間を取られ気をもむよりも、得意なことを見つけて伸ばしていってほしいです。

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