計画無痛分娩レポ⑦~会陰切開

しずかです。

赤ちゃんが産まれてもまだ終わったわけじゃない

分娩してからも後産という大仕事が残っています。後産とは、出産後に子宮の中に残っている胎盤等を出すことです。胎盤は約1キロの大きなレバーのような形をしているそうで、「赤ちゃんより胎盤を出す方が痛かった」「ずるんと出てきて気持ち悪い感覚だった」というコメントを他の方の出産レポで何度も見かけました。胎盤をきれいに全部出しきらないと、後々、子宮の中で癒着が起こって大出血につながることがあるそうで、後産は母体にとっては大変重要なことなのですが、赤ちゃんを産む大仕事を終えたお母さんたちにとっては、そんなことは正直どうでもよくて、頭の中は「赤ちゃんが見たい」オンリーです。自然分娩だともう一度いきんだり色々あるのでしょうが、私はただ先生の処置が終わるのを待つのみです。分娩台の上でやることがないので隣の処置室に連れていかれた赤ちゃんの姿が見えないかと首を伸ばしてみたり、作業している先生をじーっと見たりしてました。

怖くて聞けない「会陰切開やりました?」

すると「ちょっとチクッとしますよー」と言われて小さな注射を一本おへその下に打たれました。何の注射か分からなかったのですが、怖くて聞くことはできませんでした。というのも、私が最も恐れていた「会陰切開」の傷を縫うための麻酔かもしれないと頭をよぎったためです。会陰切開は、赤ちゃんの頭をスムーズに出すために膣を広げるもので、肛門の方向または斜めの方向に3~5センチ、会陰部分をはさみでジョキンと切ります。切るときは陣痛に紛れてあまり痛みは感じないと言いますが、産後に傷を縫合したところの糸のひきつりがかなり痛むと聞きます。数週間にわたって椅子に座ることもままならず、ドーナツクッションが手放せなくなるとか。会陰切開をしない方針の病院では、妊娠後期から念入りにオイルマッサージをして膣のまわりを柔らかくするそうですが、マッサージなんかで赤ちゃんの直径10センチの頭が通れるほど会陰が伸びるようになるのでしょうか。会陰切開をしなければ、逆に膣がめちゃめちゃに裂けて、かえって傷の治りが長引くとも聞きます。いずれにせよ想像するだけで怖すぎて、自分が会陰切開されたのかなんてとてもじゃないけど聞けません。「うちの子は予定日より数週間早いお産だったから、頭が小さくて会陰切開が要らなかった!」なんてミラクルストーリーを期待してしまう私でした。

世間話をしながらの後産

特にやることがないので先生の様子をじーっと見ていたら、気まずくなったのか先生の方から世間話が。どこに住んでるとか、これまで勤めていた病院の経歴とか、他の病院はどんな感じだったとかああだこうだと談笑しながら、先生は手元でゴソゴソやっています。おそらく傷口を縫ってます。。会陰切開されたのか。。「ハイ出来ました!胎盤も綺麗に出ましたからね」これにて後産は無事終了。先生おつかれさまでした。その後、ストレッチャーか車いすに乗り込んで病室へ戻りました。あんまり記憶が定かでないのは、エレベーターで移動しながら「4時間経ったら何か食べていいですよ」と言われて、赤ちゃんも無事生まれて、朝からの絶食が終わることがとにかく嬉しくて気持ちがハイになっていたからです。4時間なんて寝たら一瞬だと思っていたのですが、とんでもない誤りでした。最も辛い苦しみはこれからだったのです。

続きます

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