つゆいりです。
7章64です。ネタバレするのでご注意ください。
陣地に戻ったソロモンはブネ、特にバラムから叱責を受けました。ブネはむしろ寛大だったようで、バラムはそれを甘いと批判します。ブネはソロモンの気持ちを前向きに保つよう気を遣っているのですが、バラムはその辺どう思っているのでしょう。もう嫌だ普通の暮らしがしたいとソロモンが言い出した時、引っ張り戻す術を心得ているのでしょうか。ブネはそれを持っていないからそもそもそんなこと言う事態にならないよう配慮しているわけです。
ソロモンが一通り叱られたあと、ブネはすぐにあの大メギドを追うと言い出しました。打ち倒すのではなく仲間にしたいという狙いでした。
もう一度遭遇するにあたり、さっきのゲートに近づいたら問答無用で殺される可能性があるため、その近くにある別のゲートへ行ってみることになりました。近くなら殺されないという確信はないのですが、まあそうするしかないだろう、と。メギド72の中にあれを知ってる者はいないようです。厳密にはコルソンが知っているはずですが、この遠征組にはいません。
ちなみにパイモンはビルドバロック好きになれないそうです。失礼しました。
所変わってヴァイガルドはペルペトゥムです。ベリアルがガープを探しています。しかしいないとアイムに告げられ、意外だと答えています。二人の会話の中で、マモランティスによる襲撃のあと、シヴァが黒き門を封印したことが分かりました。ソロモンの指輪でしか閉じられないと思っていたベリアルは驚いた様子です。シヴァの指輪とソロモンの指輪は対の存在だから可能だとシヴァは説明しました。実際転送もできますしね。ハルマ流の封印であるから、メギドラルにとって難易度の上がったこのゲートを向こうから開けることはもう無いだろう、そもそもこのゲートは侵略には使われていないとシヴァは語ります。
ガープは何をしているかというと、コルソンと二人で荒廃した地にあるゲートを見に来ていました。そこでいきなりガープが吹っ飛ばされます。
出ました。ベルフェゴールです。
コルソンだけでやくガープも彼のことを知っているようです。まつろわぬ者同士の縁なのでしょうか。ただベルフェゴールはコルソンがゲートの場所を勝手にガープに教えたことをとがめています。同盟関係だからいいんだと反論するコルソン。ガープからさらに他へ伝播したらどうするんだとベルフェゴール。それを懸念するならコルソンにも教えるべきではなかったとなりますが、いかに。
ガープはベルフェゴールのことを敵と呼びました。転生前から面識があるようですが仲間ではないようです。コルソンが仲良くしている様を見てガープは驚いていました。ベルフェゴールはコルソンがソロモンにこのゲートの所在を教えたと疑っています。それ以外にこれを見つける方法はないはずだと。コルソンはそんなことしてないと言いましたが単純には受け入れてもらえそうもありません。
とりあえすベルフェゴールはゲートを開いてソロモンを倒しに行ってしまいました。そしてメギドラル側からゲートを破壊してしまったようです。コルソンとガープはこのことをヴァイガルドに残っているメンバーに伝えることにしました。もし召喚されればこの事態をソロモンに伝えることができるからと。
ソロモンはメギドラルで2つ目のゲートを見つけました。しかしベルフェゴールはいません。彼は1つ目のゲートからメギドラルへ入ったようです。こっちへ来るでしょうか(来るに決まってます)。
ベルフェゴールを待っている間にソロモンは周囲を探索しています。何か違和感を感じているようですが、それはこちらには分からないこと。なぜならこのゲートと森のどちらが古いかを気にしているからです。それは文脈から読み取ることはできません。
ソロモンの言いたいことは、ゲートは元々森より古い物で、意図的に封鎖されているがかなり前からこの状態であり、ゲートを封鎖したあとここを棄戦圏にし、さらに森を復元させたのではないか、という仮設でした。その根拠は、ゲートがあるということはかつてここはフォトンが豊富であり、しかも棄戦圏になっても消滅していないということは、まだフォトンが豊富だった頃に封鎖したということ。それは冷凍保存のようにゲートの延命を目的としてると考えられることでした。
これにマルファスが反論します。地図に載っていることからゲート・エクスプローラーはこのゲートの存在を認識していた。フォトンが枯れていくのを察知してゲートを封鎖して撤退したのではないかと。マルファスのは現実的な理論です。ソロモンのはああだったら、こうだったら、という留意点の多い理論です。しかもそのハードルが高い。ありがちなのはマルファスのほうでしょう。
しかしそこに答えを知る人物が現れました。この森が復元するよう仕向けたと語るベルフェゴールです。ソロモンの推測は完全に正解であると驚いています。少し前からここにいて話を聞いていたのですね。
ソロモンは仲間になってほしいと誘いますがベルフェゴールは乗ってきません。とりあえずメギド流に戦うことになりました。
戦いに勝ったあと、ソロモンがまつろわぬ王たちからゲートの所在を聞いていたというベルフェゴールの誤解を解きました。シャックスの地図を見せることでベルおじさんも納得しました。さらにただのヴィータがゲートエクスプローラーに戦いを挑む無法者を従えていることがツボにはまり、召喚を受けてくれることになりました。その方が面白そうだと。
遅れてやってきたブネとバルバトスはその様子を離れたところから見ていたようです。今まではソロモンにできないことをメギドがやってきたが、これからはメギドにできないことをソロモンにやってもらうとブネは言います。前者は戦闘であり後者は舵取りです。ただのヴィータだからこそ、メギドラルに対して無垢であるからこそ、そこに合わせて自分を変化させられる、とのことです。
とそこへミガク(バンキン族)がやってきて陣地が襲われたと告げました。襲ってきたのは「罵美優蛇」(バミューダ)という、なんともヤンキーチックな軍団だそうで、しかもシャックスによればそれは追放される前にウェパルが率いていたところだそうな。時々出てくる「牙の内海」を支配している軍団だそうで、内陸に現れたことは驚きを持って受け止められました。
ここから話が大きく飛びます。私が飛ばしているのではなく実際の進行上飛んでいるのです。急に少し前の時点に戻り、メギドは初めから個なのかとソロモンがマルファスに尋ねています。ソロモンにはそれが不思議でならないようです。ここは7章の冒頭に関係する部分なのでしょう。そしてこれからその核心に触れていく。だから不自然でもこの展開が必要なんだと推測できます。
ヴィータは生まれてくるのに理由はなく、個とは生まれてから経験と成長を繰り返す中で自己認識していくものであるとソロモンは言います。たしかにそうです。実際には個がない人もいますからね。生まれる前から個があるということがソロモンには興味深く、言われてみればその通りです。宇宙の起源にも似た話ですね。宇宙が広がる前そこには何があったのか。さらにその前は。
しかしマルファスの回答は宇宙の起源よりずっと簡単な話でした。彼らは何かであった。そこから今の自分になったと言うのです。メギドはすべて生まれる前に何か全体というものに属しており、そこから自分に目覚めた者が個として生まれ落ちる。マルファスは「こぼれ落ちる」と表現しています。個に目覚めた部分が全体から捨てられるイメージでしょうか。
ただその全体を物理的に視認することはできないそうです。「意識の遥か彼方」だそうで、メギドたちはみなそれを「彼の世界」と呼んでいる。夢の世界とつながっており、夢見の者は全体に近い存在なんだとか。ヴィータの夢に入ることもできるため、メギドとヴィータには何かつながっている部分があるのかも?ないのかも?というところで64は終了です。