のび太です。
風疹の予防接種を受けてきました。なんで今さら風疹?と思われるかもしれません。僕もそう思いました。ですが調べてみると理由があるのです。まずは風疹についておさらいです。
【風疹(ふうしん)】
- ウィルスによって感染する病気。発症すると微熱、頭痛、倦怠感、せき、鼻水など風邪のような症状の他、体中に赤い斑点が出る。
- 子供の場合38度を超える熱が3日間くらい続く。大人だと5日ほどになり大人の方が重篤。
- 妊娠初期の妊婦が感染すると胎児が先天性風疹症候群を発症し後遺症が残ることがある。
僕自身が熱でうなされるくらいなんでもないことなんですが、問題は僕からしずかちゃん、そしてお腹の子へ感染が広がることです。特にお腹の子にうつった場合、先天性風疹症候群として心疾患、難聴、白内障を引き起こすことがあるそうで、リスクを減らすために僕が予防接種を受けることにしました。
ですがこれ、実は年齢によっては気にしなくていい問題なんですよね。なぜかというと、国が予防接種の制度を変えてきていて、以下のような変遷をたどったからです。
①昭和54(1979)年4月1日以前に生まれた男性:
予防接種の定期接種制度がなく、女性のみ中学生のとき集団接種を受けた。
②昭和54(1979)年4月2日から昭和62(1987)年10月1日までに生まれた男女:
中学生のとき予防接種の補助を受けられるようになったが、集団接種ではなく個別に各々で受けに行く形だったため接種率が低い。
③昭和62(1987)年10月1日から平成6(1994)年4月1日までに生まれた男女:
1歳から7歳半の間に予防接種を受けられるようになったが、集団接種ではなく個別接種だったため接種率が低い。
④平成2(1990)年4月2日から平成7(1995)年4月1日までに生まれた男女:
中学1年生と高校3年生のとき2回目の個別接種を実施。このときは麻疹風疹混合(MR)ワクチン。
⑤平成6(1994)年4月2日以降に生まれた男女:
1歳のときと小学校入学前の2回、MRワクチンを接種。
把握が難しくて調べるのに2時間かかりました…。間違ってたらすみません。
つまり、
昭和54(1979)年4月1日以前に生まれた男性はまったく受けていない人が多い。昭和54(1979)年4月2日から平成2(1990)年4月1日までに生まれた人は男女供に、受けていても1回だけ。それも個別接種だったため接種率は低い。僕は②に該当するので、受けていても1回、その1回も見込みは低いという状態でした。一応実家の母に確認したところ、
「うちはだ~れも受け取らんよ」
とのこと。
ということで風疹ワクチンを接種できる病院を探しました。予防接種は病院によって費用が違いますし、そもそも常備されているわけではなく、また最近流行し始めているということで、病院では仕入れ元に確認しないといつ取り寄せられるか分からないようです。風疹単独のワクチンはないけど麻疹(はしか)との混合ワクチンならあるという病院もありました。土曜だったので開いてる病院自体少なかったんですが、その中で値段を聞いてみたところ、以下の感じでした。()内は混合ワクチンがある場合の値段です。
・7100円(13000円)
・6450円(11000円)
・5000円
・4000円
※すべて税抜き
と開きがありました。これは地域によっても違うはずです。7100円は千代田区の病院、他はすべて世田谷区の病院です。5000円と4000円の病院は小児科のある病院でした。5000円の病院は電話した時点で在庫があるとのこと。ただ評判がおもわしくなかったので避けました。小児科のある病院はいつ入荷できるかの返答も早かったです。おそらく日常的に仕入れているので分かるんだと思います。結局4000円の病院で受けることにしました。
というところです。先生も気さくに分かりやすく色々説明してくださり、とてもよい病院でした。さすが小児科だなと。注射もまったく痛くなくて驚きました。
また、費用については自治体によって補助が出るところがあるので、調べてみるといいと思います。世田谷区の場合は少々手続きが面倒ですが風疹単独なら3000円まで負担してもらえます。
自分は受けておいて言うのもなんですが、調べていて感じたのは、流行っていると言ってもインフルエンザと比較したら全然大したことないということです。妊婦さんは先ほど書いた先天性風疹症候群の恐れがあるためワクチンを接種できません。でももし風疹の耐性を持ってないとしても、妊娠初期に人混みを避けていれば問題ないという気がします。
実は風疹は2012年から2013年にかけて「大流行」しました。でもこれご存じの方いますか?僕は知りませんでした。その時の感染者数が全国で14000人(2013年)です。同じ時期のインフルエンザ感染者数はなんと1370万人。文字通り桁違いの数です。
※出典:国立感染症研究所
風疹Q&A(2018年1月30日改訂)
インフルエンザ2012/2013シーズン
この風疹大流行のとき、感染者の9割が成人、中でも男性は女性より3倍多かったとのことです。男性は女性より予防接種受けている人が少ないためと思われます。そしてこの時期45人の赤ちゃんが先天性風疹症候群と診断されたそうです。
風疹の流行は海外からの渡航者が持ち込んだ例がほとんどで、国内での流行は予防接種が広がった現在では非常に少ないようです。2014年以降は感染者数が減少し、2017年では年間で93人。93人中15人は海外への渡航で感染した人でした。先天性風疹症候群は2015年以降1件も報告されていないそうです。
このように風疹はほぼ沈静化していて、日常的に恐れる必要のない病気となっています。ここ数日また感染者数が増えているというニュースがありましたが、実際の数字を見て冷静に対処したいところです。国立感染症研究所によると2018年32週の時点で全国累計139人。たしかに2017年を既に超えているので増えているには違いないんですが、2013年の同時期には既に13000人を超えていたので、「流行」といってもまだ兆しの段階ですね。
首都圏における風疹急増に関する緊急情報:
2018年8月15日現在
テレビや新聞のニュースではなくこういった情報に触れることも大切だと思います。ただ少しでもリスクを避けるために、妊娠初期の妊婦さんのご家族はご自身の風疹予防接種歴を調べ、もし2回接種が確認できなければ早急に予防接種受けるのが望ましいと思います。感染者は30代以上が多く、これは多くの人が2回受けていないこと、1回だけ受けた人の効果が切れ始めていることが一因のようです。予防接種を受けた病院の先生がおっしゃってましたが、自分やその家族以外の人への感染を防ぐ上でも、妊娠に関わらず男女ともにちゃんと2回接種できるといいですね。