しずかです。
陣痛促進剤スタート
ナースの方が「それでは陣痛促進剤を入れていきますね」と宣言をして、何やら点滴スタンドをいじり始めました。ついに人工的に痛みを誘発する薬を入れられるわけです。「あ、はい」と答えたものの、内心は戦々恐々としました。だって麻酔がまだなんですもの。麻酔どころか、カテーテルさえまだ入れてないんです。麻酔が始まる前に陣痛が来たら。怖い、怖すぎるよ。たまらず「あの、促進剤って入れたらすぐに陣痛が来たりするんですか?」と尋ねると、「全然です!そんなすぐ効くものじゃありませんよ。お産につながる陣痛が来なくて、この1パックが終わっても足りずに、翌日に持ち越す人もいるんですから」とにこにこして言います。10時半に麻酔科医が来るから待っててくださいと言い残し、ナースは去っていきました。
麻酔科医が到着、カテーテル挿入へ
10時過ぎ、麻酔科医の先生が予定より早く到着したとのことで、処置室へ移動しました。処置室といっても、分娩室です。衝立をはさんだ隣のスペースでは、私と同じく今日無痛分娩で産む予定の方が待機しているようでした。そちらの方が先にカテーテルを入れるようで、私は予行演習とばかりに、痛そうにしているかどうかドキドキしながら聞き耳を立てていました。人によってこのカテーテル挿入はめちゃくちゃ痛いと聞きます。しかもこの処置が硬膜外麻酔の要で、挿入時に下手に動いて硬膜が傷つくと後に後遺症が残ってしまうらしいのです。後遺症は運動麻痺等の重大なものもあるとのこと。怖いです。無痛分娩の一番の関所と言えるでしょう。
そのころのび太くんは飲み物の買い出しに行っていました。私はLINEで病室からここに移動したことを伝えると、のび太くんはすぐに近くまで来てくれましたが、中に入っていいか分からないから扉の前で待ってるよとのこと。隣は処置中も談笑していて、思ったより時間がかかっていました。その待っている時間も不安な気持ちが高まるばかりだったので、のび太くんと一緒にいたくて、部屋の中に入ってきてほしいと伝えました。すると、すぐにドアが開いたので、「ヨッ!」と片手を上げておどけてみせたら、主治医の先生でした。私は日ごろ他人にはひょうきんなところを見せたくないタイプなので、驚きとショックで顔が硬直しました。ちなみにのび太くんは中に入るのはダメと言われたらしく、この後も外で待っていました。
カテーテル挿入の痛み
硬膜外麻酔のカテーテル挿入時、妊婦はベッドの上で横向きになり、エビのように丸まって、医師は背中側で処置を行うそうです。「お腹が大きいのに丸まるのがとても大変」「しかも絶対に動いてはいけないからヒヤヒヤする」という話は散々聞いていたので、そのポーズをうまくできるか不安でした。でも、この病院ではエビのポーズではなくて、ベッドの上で胡坐をかいて少し前かがみになるスタイルらしく、これなら苦しそうじゃないし、動いてしまうリスクも軽減できそうだと思いました。
いよいよ処置です。胡坐をかいて、前かがみになります。目の前にはナースがいて、体が動かないようにおさえていてくれます。背中を出すと、まず痛み止めの注射をぶすっと刺されました。これが結構痛い。なのに、液を注入するために、さらにその針にぐぐっと圧をかけてきます。えぇぇ、、痛いし、、、。うつむいた顔は痛みでゆがみます。次にカテーテルが入ってきました。
ぐぐぐぐ、、!!!???
このとき急に、何か間違ってるんじゃないかというような強い痛みに襲われました。痛すぎてどこが痛いのか分かりません。この痛みって普通なの?おかしいくらい痛いよね?例の硬膜に傷つけちゃったパターンなんじゃないの?あまりないことだと言ってたけど、まさかハズレくじ引いちゃった?うそでしょ?動いてないのに!!パニックになりそうでした。胡坐をかいたまま後ろからカテーテルを入れられ、さらにそれに圧をかけて押されている状態なので、体が硬いせいで押されて体が痛いのか、何がなんだか分からない痛みでした。ここでちゃんと痛いって伝えないと失敗したことに気づいてもらえないと思って、なんとか声に出したのが、「足が、、痛い、、、。」
するとNSTを見ていたナースほか医師たちが「今、陣痛来てたね!」と言うのです。いやいや、どんなタイミングで来るのよ!絶対カテーテル失敗したと思ったよね。それより促進剤入れたナースさん、30分で促進剤効いてるけどどうなってるんでしょう。こうして、初めての陣痛体験が強烈だったので、その後も陣痛に対して怯えまくることになるのです。
続きます