Mrs. GREEN APPLE ”They are”  歌詞の意味を考察~好きな人が結婚してしまった失恋ソング?

2024年、Mrs. GREEN APPLEのファンになりました。

日本レコード大賞でその存在を知って以来、彼らから目が離せなくなっています。
彼ら自身が音楽が大好きなこと、音楽を通じてどこかの誰かにそっと寄り添えたらいいなと思っていること。
全ての楽曲の作詞作曲を担当しているボーカルの大森元貴さんの孤独や自意識の捉え方。
それらが観ていて聞いていて、とても心地いいのです。
特にライブパフォーマンスではそれが強く伝わってくるのでおすすめです。
They areの歌詞の意味を独自解釈してみます
彼らの「They are」という曲について、歌詞の意味を独自の見解で考察したいと思います。
作詞者の大森元貴さんの意図として歌詞で詳しく書かれてないことは自由に想像して補完くださいということだと思うので、曲を聴いて歌詞を読んだときに伝わってきた第一印象のイメージを大切にして書かせていただきます。
なお、この曲は大森さんの実体験をもとにして書かれたとのこと、後のインタビューで語られています。
1.歌詞とその意味
They are 
今日もただ “独りで寂しい”と 君の前で思ってしまう
貴方のその優しい愛は 僕には美しすぎるんだ
許してくれなくていい 僕が愚かなままでいい
心が凍えそうなんだ 温めてくれるだけでいい

君の喜ぶ顔も 泣きそうな瞳も
僕を呼ぶ声も 生きて居るんだ
君は僕を 置いていくんだ
僕だけ歳をとらないみたいにさ

今日もただ“独りで寂しい”と 君の前で思ってしまう
貴方のその優しさでも 僕は傷を負ってしまうんだ
神様どうか、答えて 君を愛せていたか解らないんだ

僕が付き合っていた君はとても素敵な人で、僕にとってもったいないほどの優しさをくれる人だった。
僕が君に求めていたのは、一緒にいて安心できて、孤独を感じずにいられることだった。
心が凍えそうというほどに強い孤独感があった僕をただ安心させてほしかった。
でもこんなに優しい君といても、なぜか孤独を感じてしまう僕。
せっかく一緒にいるのにどうして?
おそらく未熟で自分に自信がない僕は、こんなに素敵な人が自分を本気で好きなわけない
いうような気持ちになっていたように感じます。
付き合ってるのに、同じ大きさで愛し合ってる恋人同士という対等な気持ちになれなかった僕。
君が優しく、優れていればいるほど、自分との差を感じて辛く、勝手に傷ついていた。
そんな僕に、きっといつか君は呆れていなくなるんだろう。僕はひとり取り残されるんだろう。
そんな風に考えて悩んでしまう僕は、本当に君のことちゃんと好きなんだろうか?
君を好きという気持ちにさえ自信が持てなくなっていました。
このように前半は「孤独と自意識に囚われて交際に集中できていなかった僕」について語られています。

名誉じゃなくていい お金なんかは後でいい
君が上手(うわて)なままがいい 孤独を分かち合えればいい

ぎこちないキスも 涙した理由(わけ)も
僕はサヨナラに慣れすぎた
心のハグも プレゼントも 何一つ返せていないのに

今日もただ “独りで寂しい”と 君の前で思ってしまう
貴方のその優しさは 僕には美しすぎる
神様どうか、伝えて
君に愛されていた事に気付いたんだ

名誉とかお金じゃなくて、今一緒にいて孤独を分かち合えること、
さみしくないことを僕はもっとも求めていました。
でも前半で語ったように二人でいても孤独を抱えていた僕は、
これではいけない、と君と別れることを決意します。
(印象的には僕から君に別れを告げたように感じます)
サヨナラには慣れている僕だからと強がったところもありました。
しかし、君がいなくなってやっと気付きました。
僕はちゃんと君に愛されていたということに。
僕が自意識のせいで君の愛を受け取れていないだけだったんだ、
孤独感は全部僕のせいだったんだと別れてからようやく気づくことができました。
このことを、もう直接伝えられない君に、神様の力を借りてでも伝えたい気持ちがあふれています。

鐘が鳴り響いた
魂は知って居るんだ 本当の愛ってこんなんじゃないんだろうか
出会った意味をも 数えればキリがないけど 君はもう居ない

今日もただ “独りで寂しい”と ベッドの中で思ってしまう
誰かのその優しさでも 僕は傷を負ってしまうんだ
今頃、僕は 僕は 君を愛していた事に気付いたんだ

全てが昨日のように 感じるんだ

時は流れ、ウェディングベルが鳴り、君は他の人と結婚した。
僕の奥底にある魂は本当はわかってた。
僕は君のこと本当に愛してたってこと、出会った意味もいくつもあったってこと。
こうして気づいたときにはもう遅い。
君はもう僕のところには戻ってこない。君は結婚してしまった。
今、僕は本当にひとりになった。
自分の部屋のベッドの中にうずくまり、孤独を感じている。
人の優しさで傷を負ってしまう。そんな僕の性格が原因だったんだ。
今頃になってようやく 僕はちゃんと君を愛せてたってことに気づいた。
すべてが昨日のことのように感じるし、君の顔や声もまだ僕の心に生きてる。
今もまだ愛した気持ちや孤独感や後悔などの感情が胸の中に残っているようです。
2.曲名”They are”の示すこと~ “They are married”の省略では?
ずっと君と僕という一人称と二人称の主語で展開されている歌詞の中で、
①タイトルは三人称They are(彼らは)である
②唐突に「鐘が鳴った」という描写が出てくる
この二箇所について、私は大きな違和感を覚え、全体の歌詞からこの2つが浮いているように感じました。
歌詞に書かれている君や僕の気持ちにフォーカスするならばOur memories(僕たちの思い出)とかMy regret(僕の後悔)などがタイトルとなるはずです。
なぜtheyを使っているのか、そしてtheyとは誰なのか。
They areは英語の文法上では後ろに補語が必要であり、続きの言葉がないと成立しません。
彼らという主語について考えたとき、もう自分のそばにいない君が今は三人称(彼、彼女)となり、他の誰かといるから複数形になっていると考えられます。
そして、彼らがどうしたのかという補語部分を考えたとき、2つ目の違和感「鐘」がキーワードになってきます。
全体の曲調がゴスペル風に作られてることからも「鐘が鳴る」とはチャペルの鐘を連想させます。つまり”They are married(彼らは結婚した)”ということの暗喩なのではと感じました。
ずっと君と僕の話をしてるのにWe areをタイトルにできないのは、彼らが主語とした結婚という出来事があったからではないでしょうか。
大森さんはこの曲をご自身の経験をもとに作ったと語られています。大森さんにとって、君が誰かと結婚したという通知が来たときに大きなショックやインパクトがあり、当時の記憶や想いが心から噴出して作られた曲なのではと感じました。
marriedを省略した理由はタイトルからネタバレになってしまうこと、また、まだ僕は胸の痛みがあるためにmarriedを目に入れまいとして省略している可能性があると感じます。
以上、私なりの独自考察でした!
ひとりでいるときに感じる寂しさよりも二人でいるのに感じる孤独のほうがもっとさみしい」と言う言葉を思い出しました。たしかウシジマくんに出てきたセリフです。

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