のび太です。
『半分、青い。』第153回の感想です。
どうやら裕子は震災で亡くなってしまったようです。最終回で見つかって安っぽくハッピーエンドだと思っていたので意外でした。残り3日でこれをどうまとめるつもりなんでしょう。まったくまとまらなくて役者にただ一人で語らせた(海に向かって叫ばせた)のが『純と愛』です。
残り一週間しかないのに扇風機と震災と子供のいじめを扱おうとする時点で中身が薄っぺらいことは想像に難くない。特に子供のいじめについてはひどい。
「あなたは逃げるのではない。正しい場所へ行くんです。」
これは脚本家が言いたかったことなんでしょう。ドラマの展開上生まれる台詞ではなくて、元々脚本家が自分の子供やいじめ問題に対して思っていたことを、役者の台詞にすることで世の中に発信したかったんでしょう。でもそういう展開にならないからここでねじ込んできた。
子供がいじめを受けたら即転校するというのも確かにいじめから子供を守る一つの策ではあるでしょう。逃げるんじゃないって子供に言い聞かせるのもいいでしょう。でもそれは数ある方法の一つでしかないし、数ある方法の中で世間に広く受け入れられるような有効性を持っているとは思えない。なぜなら、「転校先でまたいじめられたらどうするの?」って多くの人が思うからです。いじめの問題は被害者が転校することで解決すると思えないし、転校するのはあえてテレビドラマを使って主張するほど有効な策でもなければ革新的な考えでもない。結果的に転校という手段をとった家庭でもその結論までには色々悩んだり相談したり試したりしてからじゃないのかな。世間はもっと複雑で、みんないろいろ考えていて、この台詞よりずっと先に進んでいるんじゃないでしょうか。それをこの対応でいじめは解決よ!と言わんばかりの一本調子で描かれても、しらけるというか呆れるばかりです。
このドラマは漫画家だけやってたらまだよかったと思う。今よりだいぶましになってたはず。ドラマの折り返し地点で漫画家やめてその後色々あったけど、登場人物にいくらか深みがあって展開を楽しみに思えたのは秋風羽織の下にいた頃だけでした。漫画家さえやめていなければ、スズメが自己中で浅はかで見ている人をどれだけイライラさせたとしても、才能ある人はやっぱりどこか違うんだねと言ってまとめられたのに。