計画無痛分娩レポ⑥~産む!

しずかです。

いきみとは

「ハイ吸ってー!!!」その後の「息止める!」の号令はありません。取っ手を握った両手に力を入れてナースのプッシュに耐えます。ドスッ、ドスッ、ドスッ、ドスッ!力めっちゃ強いな!!要らんことばっかりめまぐるしく感想が浮かんできます。
「ハイいきんでー!!」いきみます。といっても麻酔が効いてて下半身の感覚がさっぱりないので、下腹部に力を入れて、いきんでいるつもりになるしかありません。私は今、いきんでいる!!でもそもそも、いきむって何だろう?出産以外でこの言葉は使わないので、排泄でいう「きばる」と同じでいいのでしょうか。出産は終えましたが、いまだに謎です。

この2回目のいきみの後、先生が何やら下の方でゴソゴソやっています。私のいきみが弱すぎて先生が引っ張り出してるんだろうなあ。そういえば病室で「吸引分娩になりますけどいいですか?」と確認されたなあ。頭がとんがっちゃうって聞くけど、うちの子もそうなるのかなあ。色々考えていたら、先生の方であらかた道筋が見えたようです。「次のいきみで産まれますよ。ご主人呼んでください」えっ、もう産まれるの?たった3回のいきみで?なんという早業だ!

ついにその時が

まもなくのび太くんが入ってきました。なんとビデオカメラを構えています。えっ、さっき病室で言ったじゃん、産んでるところは映りたくないからビデオに撮らないでって。とっさに「撮らなくていいよ!」と一言。そして、すぐにいきみに戻ります。「吸ってー、吐いてー、いきんでー!!」うー、いきみがこれでいいか分からないけど、産まれてきてー!!

ふええ、ふええ

ザ・女の子と言わんばかりの愛らしい産声が聞こえてきました。産まれたー!
声、めっちゃ可愛いー!女の子の産声ってこんなに可愛いの?!うちの子だけ?!
なんて可愛いんだろう!!

先生がよいしょと持ち上げた赤ん坊が、股の間から見えました。顔も体も真っ白。胎脂ってやつです。ボディクリームを大量に塗りたくったかのようです。「すごく元気ですねー!」と先生のコメント。正産期といえど数週間早く産まれてきた我が子。元気かどうか心配していました。元気なんだ、よかった!そして、頭、とんがってるー!19:30の出来事でした。分娩時間は7時間半でした。

カンガルーケア

すぐにカンガルーケアです。着ているパジャマの上に一枚の紙をはさんで、赤ちゃんを胸の上でしばらく抱きます。最初になんて声をかけてあげようと以前から考えてはいたものの、実際に赤ちゃんを目の前にすると、言葉が出てきません。赤ちゃんは黒目がちな目をしっかりあけて、私の目をじーっと見てます。この人がお母さんだと認識しようとしているんだろうか。自分の手は清潔じゃないと思ったので、赤ちゃんに触れるのは我慢して、小さな体を落とさないようにしっかり抱っこしていました。言葉をかける代わりに、ずっと赤ちゃんと目を合わせていました。会いたかったおなかの赤ちゃん、こんな顔をしてたんだ。エコー写真とは全然違う。すっきりした綺麗な顔をしてる。途中でふええと泣きはじめて、また声が聞けました。鈴を転がしたような声ってこういうことを言うんだなあ。赤ちゃんはみんなオンギャーと野太い声で泣くものだと思ってた。うちの子は子猫みたいだなあ。私自身はハスキーボイスで低い声の赤ちゃんだったと聞いたけど、うちの子の声は授かりものだ。

取違え防止のためのピンクの輪

ナースから何やら小さなゴムでできたピンクの輪のようなものを渡されました。「これと同じものを赤ちゃんの足にもつけています。お母さんはこれを持っていてください」取り違えなど発生しないよう、親子の証明として同じ目印をつけることになっているそうです。こういう病院のシステムは安心しますね。生まれたての赤ちゃんの姿は目に焼き付けたので、今後取り違えが起きてもすぐ気づくけど、DNA判定をするまで確認のしようがないですもんね。とても小さな輪。私はそれを小指につけました。すると、ナースが「赤ちゃんをお預かりして、お母さんは処置に入ります」とのこと。うわさに聞く、後産です。

続きます

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